成長事例

「なんとなく気になる、小学校で困るかもしれません」

(自閉症スペクトラム障害)年長・男の子

順調に幼児期を過ごしていると思っていた保護者様に、保育所の先生からお話がありました。
保護者様は、元気で勢いのあるお子さんだと感じてはいたそうですが、「この子は話せる・排泄も食事も自立し・ひらがなにも興味を示している、どう困るのか?」という疑問をお持ちでした。

4月年長になったところで、てらぴぁぽけっとに通い始めました。

  • 「なんとなく気になる」理由~つまりは、発達の引っ掛かりを探す

    初めて来所した日に、初対面の職員に勢いよく話しかけ、見つけたおもちゃをどんどん出し、年齢なりの他者との境界線がなく、他者の困惑した表情や感情を読み取れず、思うままに行動・発言をしている様子が見られたのです。

    また、足元にあるおもちゃを見て、「誰か使っているの?」という意図にも関わらず、「誰が出した(怒)」と言い、語彙・言葉の強弱・表情が、ちぐはぐでした。 「悪気は全くないものの、本人の言い方や強弱により誤解が生じ、人との関わりの中で、そのお子さんが辛くなるのでは」という可能性がありました。

  • セラピーがスタート

    エピソードを聞いて、適した表情のカードを選ぶ エピソードに合わせた表情の実演「やめてほしい時、どんな顔する」 場面カードの表情をみて、人物の感情を言ってみる「この人は、『なんで?』て思ってる」 場面に合わせて許可を取る練習「遊んでもいい」「出してもいい」「見てきてもいい」 遊びながら本人の意図にあった言葉を練習「半分 ちょうだいなど」

    「このお子さんには、何かが必要」と発信してくれた保育所さんにご報告、そして、ご家庭では円満な言い方が 出来ているときには具体的に褒めることを実践。 「お、今の『ちょっと どいて』という言い方いいね」などと、、、、、。

    現在もてらぴぁぽけっとにてセラピーを受けています。 保育所さんから保護者様に対する最初のコメントは、「そのお子さんの言動が、なんとなく気になり、それを何とかしてあげたい」という想いであったと思います。 「なんとなく気になるでも、療育をスタートさせ、就学の準備に備える」ということを、保護者様が実践してくださったケースです。 就学まであと半年、一緒に頑張ろう!

    「なんとなく気になる」、そのなんとなくを 療育で見つけませんか。是非ご相談ください

「怒りに向き合う」

ADHD(注意欠如・多動性 又は 注意欠如・多動性障害)年長・男の子

怒らせないようにするという周りの配慮?!

ゲームで負けを受け入れられず、時間の関係で途中終了には物を投げて怒り、間違えを指摘するとプリントを破き、活動の順番に納得せず部屋から飛び出したり、怒りのレパートリーが多々あるお子さんでした。
そのうち、周りの大人が彼を怒らせないようにとスケジュールやゲームの勝ち負けに配慮し、プリントを破れば学習は終了するという、環境にいたお子さんでした。

  • そしててらぽけの療育に通い始め、方針を決定!

    「この子にとって、必要なことって何だろう? それは、怒りと向き合う彼を支える」ということ

セラピーがスタート

①彼の怒りの言動で事態を変化させない。
「負けは負け」「プリントは予備を用意し、破いても終わらない」「決めたスケジュールは変えない」
②冷静な時間に「怒りのはしご」、怒りのレベルを把握する。
③エピソードを「怒りのはしご」に分類してみよう
「消しゴムがなくなった」レベル2?「くすぐられた」レベル4?「すごろくで負けた」レベル5?冷静な時ならわかる、「そんなに怒る必要ないよね!」
④それでも怒りが込み上げてきた時のオリジナル対処法を作成
6秒深呼吸・許可を得て席を外す・枕に顔を押し当てる・プチプチ(梱包材)を潰す
⑤自分でコントロールできているかどうか振り返り、マークを描く(自己評価)

つまりは、思い通りにならない場面から回避させず、アンガーマネージメントを学び、セルフモニタリング(自分で振り返る)につなげていきました。

過去の周りの大人の反応は、このお子さんの傾向を助長させてしまっていたかもしれません。
てらぴぁぽけっとの療育に通い、予想通り、一過的に怒ることが増えました(消去バースト)。 なぜなら、勝敗やスケジュールを彼の思い通りにせず、やるべきことを最後まで実行させたからです。
今までとの対応の違いに、それはそれは、怒っていましたが、、、、、! しかし、そこからの学びは早く、自分で怒りを鎮めようとする姿が見られるようになりました。
年齢が上がるにつれて、他者がルールを守らないことに怒りを感じたり、友だち関係・異性への興味から怒りを感じたりすることもあるでしょう。
大人になっても「自分の怒りと向き合う対処法」として役立つように、今でも練習しています。

「怒らせないように」でなく「怒りをコントロールする方法」を学び、自立につなげる!自立に必要なことは、多岐にわたりますね。是非ご相談ください。

「white lie~罪のない嘘を学ぶ」

年長・女の子

本人の想いは、「正直に言ってなぜ怒られる?」保護者様の想いは、「何かトラブルに巻き込まれるのではないかと、心配」という事例です。
友だち「○○ちゃんのシャツ、かわいいね」
ご本人「私は、気に入ってないのに、なんでそんなこと言うの?(怒)」
友だち「この前あげたおやつ、おいしかった?」
ご本人「おいしくなかったから、捨てたよ」

ソーシャルスキル全般が彼女の課題であり、場面にあった、本音と建て前を学んでいく必要がありました。

  • SST ソーシャルスキルトレーニングのセラピースタート

    ①他者の気持ちをまずは紙面上で理解 「もらったおやつをまずいと言う」 〇それとも✖ どうして?
    ②ロールプレイで演じる「嫌いなおやつをもらったらどうする?なんて言う?」(言葉・表情・態度)
    ③ゲームで「嘘」に慣れる 「トランプのババ抜き」でババを持っていても勝つためにどう演じる?
    「ババ持っているでしょ?」と聞かれたら、なんて答える?

また、日常生活の何気ないやり取りが学びの宝庫であるため、保護者と担任の先生とも連携し、子どもの言うことだからと流さずに、大人(受け取り手)の気持ちを伝え、言い直しをさせ、適切に言えたら、褒める を繰り返しました。
ご本人「先生の髪型、変」
先生「変は、悲しいので、『何も言わない』 又は 『先生の髪型 昨日と違うね』と言ってみよう」
ご本人「先生のズボン、土の色だね」
先生「それは、素敵ってこと?だったら、土の色で素敵ねと言って」と、

この練習は、これからしばらく続きます、何故なら、ソーシャルスキルのトピックは、尽きないからです。

  • 彼女からの質問、
    「チーターも牛も同じ動物なのに、『牛みたいに速いね』と言ったら、『ひどい』の?」 疑問をそのままにしないで、質問ができるようになったことに成長を感じています。

    さて、彼女の質問に対して、どのように答え、何を教えますか? 是非、ご相談ください

「困った千代田線が、励みの千代田線に」

自閉症5歳児の場合

  • ~家庭での困りごとを個別セラピーから変えていく~

    もともと電車が好きなお子さんで、多少のこだわりあり。
    認知・言葉・生活面もゆっくりではあるものの、成長し、幼稚園に在籍。

ある時期から、「首都圏電車・地下鉄本」にはまり、「ちよだせん」と答え、それが嬉しくて、保護者さんは、千代田線グッズを買ってあげ、暇さえあれば、千代田線に乗りに行った。
徐々に、生活の中で、千代田線へのこだわりが日常生活を窮屈にしていった。 最終的には、生活のルーティンをやらずして、大声を出せば、千代田線がもらえることに‼ そこで何とかしたいと、個別のセラピー、てらぴぁぽけっとに。
まず、幼稚園に千代田線グッズはないため、園生活は、かわりがないことを確認。 つまり、保護者に対してのみに突き付けられるこだわりを、どのようにセラピーで解決したか。

①ご家庭で、無条件に千代田線グッズ(物・乗りに行く・DVD)を与えないことの説明 持ち運び可能な、絵本以外は、片付けてもらった。
今まで簡単に手に入れられていたものが、手に入らなくなることで、お子さんの行動が荒れることをご両親に決心・覚悟して頂いた。
②セラピーでは、大好きな千代田線はご褒美として利用。小さなシール(トークン)、持ち運び可能な絵本、塗り絵など、小ぶりなものを用意し、セラピストから与えられた課題を終えた時のみ、セラピストから小田急線グッズを与えられ、セラピストに返すものとした。

  • 「無条件の千代田線」から「ご褒美の千代田線」に変わるまで、数か月、時間を要しました。

    ③セラピーに保護者さんに参加してもらい、保護者さんからお子さんに指示を出してもらう時間を設けた。お子さんが指示を実行した後に、保護者さんが、褒めながらご褒美として千代田線グッズを渡し、ある程度の時間でそのグッズを保護者に返すことを練習した。
    ④そのシステムをご家庭に持ち帰る。
    *お風呂に入ろう
    *入った後に「えらかったね」という言葉と共に千代田線グッズ
    *ある程度の時間でお母さんに返却

その後、「千代田線のせいで、窮屈になった生活は改善されました」とご連絡をいただきました。
なぜか、ご家庭だけで困っている ということありませんか。私たちは、その理由を考え、改善の道筋を個別セラピーからつくっていきます。
ご家庭での困りごと、是非、ご相談ください。