てらぴぁぽけっと
の理念

理 念

めざしているのは、療育と教育の一体化とそのバランスを図ることです

私たちの身の回りにおけるセラピーの現状について、「教育」と「療育」及び「福祉又は保育」の3つに分けて考えてみます。 多くのお子様にとって出会う確率の高いものは「教育」であり、いわゆる定型発達のお子様にとって、福祉や療育のお世話になることはほとんどありません。

そのなかで少し特異性を持ってしまったお子様にとっては、教育の中に身を置く事はたいへんしんどいことです。そこで黙り込んだり、不登校になったり、先生を困らせてみたり、かくれんぼしたりしてバランスを取って行くしかないのだと思います。 そうして教育からしんどい人たちを、福祉が受け止め、社会情勢の変化や家族構成の変化(縮小化)によって、人数も予算もどんどん大きくなりました。 私たちの「てらぴぁぽけっと」も制度的にはこの福祉の仲間になります。

そんな状況のなかで、一つ大切なことが抜けおちています。 「お子様の気持ち」「言語表出のないお子様の反応」「お子様が抱えている生きづらさそのものの原因」が置いていかれているということです。

療育やセラピーに最も必要なことは「お子様が困っていることを直す」ということであり、その視点にセラピストをはじめ廻りの大人たちが行動を合わせるという事だと考えます。 それはとてもむずかしいです。お子様はここが痛い、ここがわからない、ここに悩んでいるといえないのですから。

基本的にセラピーはお子様の痛み、悩みに通じない回路に直接触れようとしている運動であることは間違いありません。 教育は、痛み・悩みを低い点数から判断し、他の高い点数の子と同じことをゆっくりやる補習か、レベルを下げて行うクラス分けをして対応しました。 福祉や保育は、痛み・悩みをかわいそうなものと見立てて、痛みや悩みに同情したり、すり替えたり、表層を撫でていく対応をしました。痛み・悩みに直接触れなければならないのに、それを巧みに回避してきたのです。 教育は傲慢で福祉は怠惰でした。

しかし、セラピーにも閉鎖的であったという問題がありました。 それに「専門性」というベールをかぶって安心していました。

てらぴぁぽけっと、とはterapia (=イタリア語でセラピーのこと)がたくさんあるpocket(=英語でポケット)です。たくさんのセラピーをポケットに詰めて、少しずつ(スモールステップ)、確実に痛みに届くように、段階的に(825段階)ご提供をさせて頂き、さらに福祉の制度に乗せて、多くの方に安価に届けられるような仕組みにしました。

セラピーが福祉の制度に入ることに抵抗感がある現状を変えていきます。福祉がセラピーを学ぶことに抵抗感がある現状を変えていきます。教育の体系が、お子様の今に必要なものを提供できない現状を変えていきます。

全てのお子様に良質なセラピーを、たくさん、小さく、確実に。沿う願いを込めて毎日汗を流しています。

お知らせ

お子様のなかにある支援のヒントを探し、優しくセラピーを行います

内在するヒント、って結構今までも言われてきたことで、お母様からすれば、もう飽き飽きしているものもあるかと思います。てらぴぁぽけっとでは、感情をはずして行動ベースでお子様のヒントを探します。お気持ちを慮っても、愛着が先だと考えても結局主観的なことなので、当のお子様にとっては「??」というものばかりだからです。

例えば、こんな事例を考えてみましょう。

  • 落ち着いて座っていられず、あちこっちに逃走してしまう

  • 隙あらば、タンスや棚の上に登ってしまう

  • ちょっとでも気に入らないとすぐ叫んだり、叩いたりする

当然お母様としては、悩んでしまい、おちおち外に連れ出せない、私のストレスが溜まるわとこれらの「問題行動」を改善しようとなるわけです。そして、原因を突き詰めていきますが、だいたい以下のような原因を考え出します。

  • 集中力がないのよ

  • 愛情が足りないのよ

  • 負けん気が強いからすぐかみつくのよ

一見正しそうに見えますし、もしかしたら正解があるかもしれません。しかしこれを進めていくと

  • 負けん気が強いから、攻撃したり言葉が汚い

  • 愛情が足りないから、欠乏を埋めようとして攻撃する

  • 能力不足だから、何もできない

などという個人攻撃に繋がってしまいます。

人間の行動を、その背景にある心理状態や仮説で立てた原因の単なる症候とみると、

  • 攻撃したり言葉が汚いのは、負けん気が強いから

  • 愛情の欠乏を埋めようとして他人を攻撃するのは、母親の愛情が足りないから

  • 何もできないのは、能力不足だから

となってしまい、結局は自分たちが立てた仮説(負けん気が強い等)を自分たちで治療しようとするだけなわけです。お子様はそんな大人たちの無責任な言動を、にこにこしたり、走りわまって聞いているだけでやがてそれがお子様自信に治療としてやってきてしまうのです。

そうならないために、てらぴぁぽけっとでは、あくまでも行動だけを見てお見立てや計測を行い、行動に介入しながら、お子様の生きづらさを改善していこうと考えています。

お子様のなかにあるヒントとは、今お子様が一生懸命表現して表に出ているもの全てであり、余計な感情を入れずにその表層を読み取っていくこと、指導員も一緒になってその表層に体や行動や言動を合わせていくことでわかってくるものです。よってヒントは常に動いていて、アセスメントやスケールに閉じ込められるものではないと信じて行動しています。

発達スケールと照らし合わせて、お子様を目標とする位置へ導きます

825段階の支援スケールを駆使して、きょうもてらぽけ指導員と児童発達支援管理責任者、及びセラピストがお子様の行動に見られる療育のヒントを探し続けています。​ スケールは、あくまでも補助具。お子様を「わかる」ようにするためにスケールを用い、お子様はそのスケールをいとも簡単に「飛び越え」ていくものなので、スケールに固執せず、お子様の今を見つめ関わり続けます。その持続がてらぴぁぽけっとの生命線です。